はじめての旅行

先日、イースターの休みの間に旅行に出かけてきました(こちらはよく休みがあるなあと思ってこないだケネディさんに聞いたら、8週間の授業と4週間の休みのセットが基本ということでした)。オックスフォードにきてからはじめての旅行で(8ヶ月も経つというのに!)、まずベルリンに行き、続いてデッサウ、ワイマールと南下しながら国境近くのスイスのバーゼルへ向かい、最後はフランクフルトからロンドンに戻り、オックスフォードへ帰ってくるという8泊9日の大旅行(!?)でありました。
何しに行ったかというともちろん建築を見るためですが、勘のいい人はもうなにが目当てか察しがついたのではないかしらん。お察しのとおり、バウハウスとロンシャンの教会を見るためでした。バーゼルからはロンシャンの教会やヴィトラ・ミュージアムへは比較的行きやすいからね。おまけに、ここはいまを時めくヘルツォーク&ド・ムーロン(青山のプラダ・ブティック)の地元であったために彼らの作品をたくさん見ることができる。

また、短い間にたくさんの親切な人と出会いました。ワイマールの旧バウバウハウスの校舎(ヴァン・デ・ヴェルデによる設計;現バウハウス大学)では、たまたま廊下にいたおじさんに尋ねたらなんと建築の先生で、いろいろと見どころを案内してくれました。
そして、最後に立ち寄ったフランクフルトでは、ホテルで教わったドイツ料理を出すお店が分からず、ままよと入った居酒屋風のレストランでたまたま同席した夫婦が親切な人たちで、ドイツらしい食べ物が食べたいのですというとメニュを見る間もなくこれとこれといって説明したあと(英語で)、オーダーまでしてくれました(当方はドイツ語のメニュは何が何やらさっぱりわかりません)。しかもその後、なんと明日見るべきものということで夜のフランクフルトをひとしきり車を走らせて案内してくれたのでありました(なんという親切さ!それだけでなく、とてもチャーミングな女性なのでありました、ご主人のほうもなかなか渋かった)。
彼らは旅行が好きだというので、「それでは今度はぜひ日本にきてください、できれば9月以降に」と言うと(英語で)、「今年の休みはクィーン・メアリ号(2世でしょうか)で船旅をすることになっている」ということでした・・・!。

と、ここまで書いてきて、建築のことに全く触れないままでした。詳しく書いているといつになるかわからないので(ちゃんと調べないといけないこともある)、簡単に。
なんといっても、バウハウスは感慨深いものがありました。特に、デッサウのグロピウスの手になる校舎の壁に縦に並ぶBAUHAUSの文字を見た時には建物についてどうこうという前に、「ここからモダンデザインの思想や教育理念、そして作品が生み出されたんだなあ」と思うことしきりでした。
一方、フランク・O・ゲーリーのヴィトラ・デザイン・ミュージアムは、正直に言えば、それほど良いとは思わなかった(ミュージアム・ショップに、以前共訳した日本語版の「いす・100のかたち」がちゃんと置いてあったのにはちょっと驚いたけれど)。内部のおもしろさは、フランクフルトで見たハンス・ホラインのモダンアート美術館の方が勝っているように感じたのだけれど、評判のよいグッゲンハイム美術館はどうなんでしょうねえ。
そして、小高い山の上に建つロンシャンの教会はやっぱり素晴らしかった(もし晴れていたならば、ステンドグラス越しの光がもっと美しかっただろうというのが残念だったけれど。時おり小雨が混じって寒かった)。
ヘルツォーク&ド・ムーロンのことは良く知りませんが(なにしろ、住宅以外の建築雑誌はめったに見なくなってしまった)、表層の扱いが極めて特徴的だと思いました。昔好きだったマリオ・ボッタのものも見ましたが、今となっては・・・という感じがしました(ま、時が移れば人の好みも変わるということで、しかたがありませんね)。

今回はいろいろ見ることができて楽しかったけれど、やっぱり少々くたびれました。もう少しゆっくりした日程でないとね。おまけに、急に思い立って出かけたものだから休館というところもあったし、バーゼルのホテルのようなひどいところもあった(とほほ)。しかし、その後たまたま見たある建築系の研究室のホームページにあった彼らの旅行のスケジュールには驚きました。11日間で6都市140もの建築を見るというすさまじいものであります。たとえば、僕らはバーゼルには3泊したのですが、彼らは2日間で27もの建物を見ているのに対し、こちらはほぼ半分くらいかなあという感じであります。やっぱり若さがものを言うのでしょうか(うーむ、やれやれ)。
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by fujimoto0223 | 2006-04-28 16:53
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